かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】
第4章 彼はかぐや姫を取り戻したい!!
「――衛士たちよ! 地上の穢れた者どもを、宮殿へと近づけるな!」
宮殿の回廊には人外の力を持つ「月の衛士」たちが立ち塞がる。
彼らが手をかざせば一振りで壁が崩壊する。
「銀さん、ここは僕らが食い止めます!」
「銀ちゃん、前だけ見て走るネ!!」
新八の剣が閃き、神楽の拳が衛士の鎧を粉砕する。
お妙が薙刀を振るい、真選組の面々が敵を斬り伏せる。江戸の仲間たちが、銀時のために文字通り「道」を切り拓いていく。
「……わりぃ、後は頼んだぜ」
仲間たちの背中を預け銀時はただ一人、宮殿の最奥へと走り出した。
内部はまるで迷宮のように複雑だった。
銀色の廊下はどこまでも続き、衛士たちが無数に待ち構えている。
「邪魔だ、クソ野郎ども!」
銀時は木刀を抜き放ち、衛士たちへと斬りかかった。
彼らの放つ光の弾や不可視の衝撃波が銀時を襲うが、彼はすべてを紙一重でかわし、木刀で弾き返す。
一千年前の「銀」としての記憶が、彼の身体に宿っているかのように。
宮殿の構造も、衛士たちの動きも、まるで手にとるように理解できる。
だが、人外の力は容赦ない。
衛士の一人が放った光の刃が、銀時の肩を深く抉った。
「ぐっ……!」
それでも銀時は足を止めない。
「どけ……っ! かぐや姫の隣は俺の指定席なんだよ!!(待ってろ、。……今度こそ、その鎖をぶっ壊してやる)」
銀時は最後の一線を守る大柄な衛士を渾身の一撃で叩き伏せ、重い扉を蹴り破る。
そこには、白磁の台座の上で感情を殺し、ただひたすらに祈りを捧げるの姿があった。
彼女の手の中には銀時が持つものと同じ、血の通わぬほど白いあの一本の簪が握りしめられている。
「……」
掠れた声で名を呼ぶ。
祈りの中で彼女の肩が、びくりと震えた。
「……そんな、まさか……」
ゆっくりと振り返る彼女の瞳に、血塗れになりながらも不敵に笑う、一千年前と同じ「銀色」の男が映り込んだ。
「……よぉ。……簪、一本返しに来たぜ。遅くなって、悪かったな」
銀時は簪を掲げて見せた。