かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】
第4章 彼はかぐや姫を取り戻したい!!
「銀ちゃん、準備できたアル! 」
「銀さん、真選組も、他のみんなも外で待ってますよ!」
新八と神楽が勢いよくドアを開ける。
その背後には、江戸の街を護る侍たちが、今度は「一人の居候」を取り戻すために集結していた。
「……ああ。行こうか」
銀時は簪を懐へ深くしまい込んだ。
月で待つ彼女の髪には、今もあの一本が残っているはずだ。
二つの形見が再び揃う時、それは「形見」であることをやめ、一千年の呪縛を解く「再会の証」へと変わる。
「……待ってろよ、かぐや姫。……利息分、たっぷり泣かせてやるからな」
銀色の髪を夜風になびかせ、坂田銀時は一千年の因縁が渦巻く月へと、その第一歩を踏み出した。
将軍直々の号令により、江戸はかつてない規模の「家出娘連れ戻し作戦」へとその総力を結集した。
集結したのは、真選組の精鋭部隊。
「将軍様からの直々の命だ! 月まで不届き者をぶった斬りに行くぞォ!」
土方の叫びに、隊士たちの雄叫びが響く。
「あら、銀さん。私も行かせていただきますよ。大切な友人のさんのお迎えに行かなければね」
お妙が妖艶な微笑みで、薙刀を肩に担いで現れる。
月の宮殿を包む冷徹な静寂を、一隻の巨大な軍艦が切り裂いた。
それは茂茂が「友の危機に、一国の主としてできる最大限の助力」として貸し与えた、江戸幕府が誇る最新鋭の儀礼用御用船であった。
「銀時、行け。余の誇り、江戸の誇りを、あの冷たき月へ示してこい」
将軍の言葉を背負い、白銀の船体は宇宙を駆ける。
船内には真選組、そしてお妙や万事屋の面々が、それぞれの武器を手に殺気を滾らせていた。
月の宮殿を覆う、不可視の「天の結界」
最新鋭のレーダーさえ無効化するその絶望的な壁を前に、銀時は懐から「片割れの簪」と「羽衣」を取り出した。
「……導いてくれよ。あいつの元へ」
簪と羽衣が強烈な白光を放ち船を包み込む。
「あそこだ! 結界の綻びが見えるぞ!」
土方の叫びと共に、将軍の船は光の道筋へと突っ込んだ。
バリバリと空間が割れる轟音。
その先に現れたのは、想像を絶する白銀の宮殿。
だが、その荘厳さとは裏腹に、宮殿の周囲には無数の月の衛士たちが、侵入者を排除すべく集結していた。