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かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】

第2章 かぐや姫は月に帰りたくない!!


は瞳を伏せ祈るように胸の前で手を組んだ。
数秒の沈黙の後、割れんばかりの拍手と歓声が歌舞伎町の空を震わせた。


「……凄かったネ、。私、歌を聴いてお腹が空くのを忘れたの、初めてアル」


「さん……本当に、天使の歌声かと思いましたよ……」


興奮冷めやらぬ子供たちを他所に、銀時は一人、舞台のを見つめていた。


「最高だぁぁぁ!!」



会場は割れんばかりの喝采に包まれ、誰もが彼女の優勝を確信していた。
アンコールの嵐が地響きのように鳴り響く。
はステージの上で、万事屋の皆や、真選組、歌舞伎町の人々が笑顔でいるのを見て、心から嬉そうに微笑んだ。


「……では……もう一曲だけ、感謝を込めて」


彼女が再び唇を開き、清らかな調べを紡ぎ始めたその時、会場の空気が一変する。
どこからともなく、白磁のような、冷たくも美しい光の粒が集まり始めた。
それは雪のように、あるいは蛍の光のように、の周囲を幻想的に囲んでいく。


「……おい、なんだ。照明の演出にしちゃあ、ちと出来すぎじゃねーか?」


銀時が眉を顰め、木刀の柄に手をかけた。
隣では土方や沖田も、本能的な危機感を覚えて抜刀の構えをとる。
光の渦が最高潮に達した瞬間、ステージの上に四人の男たちが姿を現した。

彼らは人間離れした美しさを持ち、この世のものとは思えない豪華な装束を纏っている。
その冷ややかな眼差しは、歌舞伎町の喧騒を見下ろしていた。



「――見つけたぞ。姫様」




その声が響いた瞬間、の歌声が止まった。
彼女の顔から血の気が失せ、黄金の瞳が絶望に揺れる。


「……あ……あ……」


「お迎えに参りました。さあ、汚れなき月へと帰りましょう。貴女が歌ったその懐かしき調べが、我らをここまで導いたのです」




彼らは、月からの使者。
彼女こそが、銀時が語ったあの伝承の主――『かぐや姫』その人だったのだーー。




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