第1章 京都にて
『高専を卒業したら教師になる。』
と、父に報告した。
そう。相談ではなく報告だ。
傑の事があって、色々考えた結果だった。
勝手に決めて当主の父にそう言うと、帰ってきた言葉はこうだった。
『ならば、卒業と同時に五条家の当主となり、こちらで決めた嫁をとれ。』
ーーーと。
東京の高専に入学するときだって、元服をしろという条件を出してきた父だ。
今回もそれが条件なのだろう。
僕は二つ返事で了承した。
どうせ何か文句言ったところで、変わらないだろうとわかっていたからだ。
嫁だって、きっと京都の本邸で過ごすだけになるだろうし、僕は東京の高専で働くのだから、たまに会ってやることやれば誰だって構わない。
親が決めるのは、きっと五条家に不利とならない家の人間か、術式をもった人間だろう。
傑がいなくなって、僕にはやらなきゃいけないことがある。
それができるのなら、もう他はなんだってよかった。
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あれから数ヶ月。
東京で働く五条は任務の過程で、京都の高専に来ていた。
「げ。五条。」
補助監督との打ち合わせが終わり、京都校の廊下を歩いている五条の後ろから歌姫が声をかけた。
しかめっつら。
歌姫が五条をよく思ってないのがよくわかった。
「なんだ、歌姫か。」
「なんだとはなんだ!なにやってんだよ!こんなところで!」
きーー!と、歌姫が捲し立てると五条はあきれて笑った。
「任務だよ任務。」
「あれ?東京で教師やってんじゃなかったの。」
「任務もしなきゃまわんないでしょ。まだ担任もってないしね。」
「てか、五条が教師とか似合わねー。」
「歌姫に言われたくないよ。」