第26章 生活編
ヴィクトルにこの話をしたら、彼も自分のことのように喜んでくれた。
隣で車を運転する彼が、「すごい!」とサングラスの奥の瞳を輝かせている。
「素晴らしいね、名無しちゃん。そんな大事な役目を任されるなんて。イベントの企画か、君のセンスがばっちり光るところだね」
「うん! かなりドキドキするけど、楽しみなんだぁ。10月だから、まだまだ先の話だけど。……あっそうだ、もし時間あったら、ヴィクトルも来る?」
助手席でテンションが上がりきったあなたが尋ねると、彼はサングラスをずらし、驚きにまつ毛を揺らした。
「俺行っていいの? ほんと?」
「もちろんっ。お客さんもたくさん出入りするし、夜はパーティーになるけど、来てくれたら嬉しいな」
例年行われる催しに人を呼び込むことも大事だが、なにより彼が来てくれたらあなたも元気百倍だ。
「ああ……働いてる君が見れるなんて。しかもそんな特別な日にね。もちろん行かせてもらうよ、お洒落していこう」
「ふふっ、すごい目立っちゃいそう」
彼はまだ仕事場を訪問出来てないことを残念がってたし、楽しみにしてくれて胸が高鳴る。
自分にとっても、よりいっそう気合いが入る出来事となった。