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彼女は七海に幸せになってほしい 【呪術廻戦 七海 R18】

第1章 彼女は七海が幸せになってほしい 


は現場で血にまみれるたびに、あの夜の七海の言葉を思い出す。


『呪術師はクソだ』

(本当に……その通りですね、七海先輩)



泥濘のような日々の中で、の心も少しずつ摩耗していった。
同級生だった伊地知は、その繊細すぎる心を守るため、術師の道を諦め補助監督に転向した。
だけが、あの一夜の熱を忘れられず、彼が捨てたはずの世界に、今もしがみついている。







ある任務の帰り道。
は、ふと駅のホームで見覚えのあるスーツ姿の背中を探している自分に気づく。
七海が去ってから、一度も連絡はない。
彼が今、どこかでパンを買い、誰にも干渉されず、定時で仕事を終える「まともな生活」を送っているのだとしたら。
自分のことなど、あの一夜の過ちごと、きれいさっぱり忘れているのだとしたら。

は、呪霊を祓うためにボロボロになった自分の掌を見つめ、自嘲気味に笑った。


「私はまだ……ここから動けないままだよ、先輩」


あの日、七海が「さよなら」を言わなかったのは、彼なりの最後の慈悲だったのか、それとも再会を拒むための断絶だったのか。
その答えを知る術はないまま、は今日もまた、呪い渦巻く帳の中へと足を踏み入れる。


いつか、この地獄の果てで彼に再会する日が来ることを、心のどこかで呪いのように願いながらーー。



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