第1章 【脹相】新月
「星が好きなのか?」
「詳しくはありませんけど、見るのは好きです」
「そうか」
「脹相は術式に『超新星』ってつけてるくらいだから星が好きなんですか?」
「器の記憶だ。その中でそれっぽいものをつけてみただけだ」
「じゃあ、脹相の元の人は星が好きだったんですね。脹相は?」
「まぁ、嫌いではないな」
「そうですか」
実を言うと脹相もこんなにゆっくり星を見るのは初めてのことだった。
器の記憶として存在は知っている。
宇宙に浮かぶ天体の光、その程度の認識だった。
しかし、こうしてまじまじと見てみると明るさや大きさ、色など千差万別で魅了される者がいるのも理解できる。
「『超新星』って爆発した後に放出されたガスとか塵とかは宇宙空間を漂って新しい星の材料になるらしいですよ」
「詳しいじゃないか」
「これは図書室で調べたんです。脹相の術式だから知りたくて」
「そうか」
「脹相の術式にぴったりの名前ですね」
「そうだな」
(だから、俺は復活できたのかもしれないな)
一度は塵になった自分を振り返ると超新星とはよく言ったものだとおかしくも感じた。