第4章 【日車】有限の閃き
「じゃあ、脹相と話ししてきます…あ、ぬいぐるみ」
日車はフクロウのぬいぐるみを持っている。
元々は日車にあげるためにが取ったものだ。
ここまで持ってきているから受けとってもらえないのかと少し残念そうな顔をしている。
「…俺はフクロウよりそっちのぬいぐるみが欲しい」
「…その心は…?」
「そっちの方が『可愛い』」
それを聞いては嬉しそうに笑うと、自分が持っていたぬいぐるみを差し出した。
「こっちのフクロウだって可愛いですよ」
が胸に抱くフクロウと目が合う。
(お前だっての方がいいんだろう?)
自分によく似たフクロウと何故だか利害が一致した気がした。
「日車さん、気を付けて帰ってくださいね!」
「岩手よりは近いから大丈夫だ」
「あはは、ですね!」
笑って手を振りながら寮に入っていくを見送ってから踵を返して車へ向かう。
助手席のドアを開ける。
ぬいぐるみを座らせて、しっかりシートベルトをしめてやる。
このキャラクターは前々から知っていた。
普通に生活していてもどこかしらで目にするほどの人気のキャラクター。
見かける度にに似ていると思っていた。
運転席に座り、チラリと横に視線をやる。
「……やっぱり『可愛い』な」
ぬいぐるみの頭をポンポンと撫でてからゆっくりと車を発進させ帰路についた。