第4章 【日車】有限の閃き
『1枚目』
「あー、これ、どっちも目線合ってないのですね。日車さん、ブレてるし…。何書こう?あ、スタンプ!ただ押すだけなのいいですね」
殴りられたような衝撃スタンプを日車の周りに何個か貼り、の頭上に『YOU WIN!』のスタンプ。
「何故俺が負けてることになってる?」
「構図上、しかたありません!」
『2枚目』
「あ、両目ウィンクの…」
「それはもう瞬きだ」
の両目の横に弾かれた星のスタンプ。
何とかして両目でウィンクしているように演出する。
「日車さんはバッチリ目を開けてるから…あ!」
顔のパーツを修正する機能で目を大きく、黒目がちにする。
その中にキラキラの星を入れる。
二人の頬をピンクに染め、唇に紅を引く。
「もはや原型を留めていないな…この写真に証拠能力はない」
「その時は私が証言します!」
『3枚目』
「あー、手でハートのですね。結局どうやってやるんでしょうね?」
は宙を舞う自分の手にスタンプのハートを持たせてやる。
周りにも何個もハートを飛ばす。
「日車さんはスーツで拳握って、横には直筆署名ありで選挙ポスターみたいですね」
頭上に『あんたが1番!』のスタンプ。
「おい…」
「あ、『初当選!』でもいいですね!」
スタンプ追加。
『4枚目』
「悪徳弁護士のですね…安心してください、可愛くしますから」
迷わず写真の日車にうさ耳をつける。
頭上には『So cute♡』のスタンプ。
「あはは!一気に可愛くなりました」
自分にはタヌキの耳と顔の模様。
「どうしてタヌキなんだ?」
「よくタヌキ顔って言われます」
「ならスタンプは要らないだろう」
「日車さんのに合わせたんですよ。あ、これ、カチカチ山みたいですね!」
背景に山。
周りには仲間の動物たちスタンプをたくさん置く。
「ウサギ、悪い顔してますね〜」
「カチカチ山の悪者はタヌキだ」
『5枚目』
「あ、もう時間がなくなってきました!」
二人の周りをキラキラで囲む。
「日車さんのほっぺ、意外に柔らかかったです」
「……」
ペンで『やわらかほっぺ』と書き込んだ。