第4章 【日車】有限の閃き
MISSION 1『はじめはくっついて撮るよ〜』
画面に人型が出てくる。
この人型に入るまで近づくらしい。
(これは…近い…!)
どう見ても密着しないと撮れない構図になっている。
「5秒しかないんですね。日車さん、大きすぎて見切れてます!もっと屈んでください!」
「いや…パーソナルスペ」
「あぁ!時間が!」
パシャッ!
が普段からは考えられないような力で日車の腕を掴んで引いた。
そのおかげで無事に時間内に枠に収まることができた。
『こんな感じで撮れたよ!』
機械が明るい声で今撮れた写真を見せてくれる。
も日車も画面を見ているせいでカメラ目線になっていない。
日車に至ってはちょっとブレてる。
「あー、カメラを見ないといけないんですねー。次はカメラ目線にしましょう!」
MISSION 2『次はそのままウィンクしてね〜』
「ウィンク…ウィンク…片目を閉じるんですよね…」と目をパチパチさせる。
(カメラ目線…)とカメラを探す日車。
パシャッ!
『こんな感じに撮れたよ〜』
「、両目つぶってるぞ」
「…りょ、両目ウィンクです。日車さんも目開けたままですよ?」
「…カメラを探していた」
MISSION 3『顔の横に手でハートを作ってね〜』
「え、手でハートって作れるんですか?」
「…知らん」
パシャッ!
『こんな感じに撮れたよ〜』
の手はハートになれずに宙を彷徨っている。
日車は握りこぶしを握っている。
「なんで握りこぶしなんですか?」
「…心臓をイメージしてみた」
「そっちのハートじゃないですって!」
MISSION 4『ニッコリ笑顔で撮るよ〜』
「日車先生、宣材写真ですよ!」
「そんなものはいらん」
パシャッ!
『こんな感じに撮れたよ〜』
は満面の笑み。
日車は片方だけ口角が上がっている。
「これは悪徳弁護士の顔ですね!」
「…営業妨害だ」