第4章 【日車】有限の閃き
「ふぁ〜、日車さん、ありがとうございます〜」
「いつも呪霊を見ているのにどうしてそんなに怖がる必要がある?」
「呪霊は襲ってきませんから。この迫って来る感じがヒャーってなります」
恐怖のためか語彙力が機能していないらしい。
(迫って来る系は苦手、か)
の情報を更新しつつ、画面のメーター関係などを確認する。
のHPゲージはもう半分ほどなくなっている。
(を死なせずにクリアか…なかなか難しい任務のようだな)
「、俺が出来るだけ頭数を減らすからお前は自分の前に来たゾンビだけを確実に撃て。弾切れに気をつけろ」
「はい…!」
日車は一度深く呼吸をすると、「次、来るぞ」とに声を掛けて銃を構えた。
画面全てに気を配り、ほとんどのゾンビは日車が一発で倒す。
「、そっちのは任せた」
「はい!」
一体くらいは見逃して、に倒させる。
何発も撃ち込んでようやくゾンビは倒れていった。
そんなこんなで無事にを死なせることなくクリアを成し遂げた。
「まだ心臓がドキドキしてます。長く生きてきましたが初めて死ぬかもしれないと思いました…」
は胸元を握りしめて大きく息を吐いた。
日車は内心で(守りきった…)と息を吐きつつも、口では「安心しろ、これはゲームだ」と冷静を装う。
「でも、日車さんがいなかったら食べられちゃうところでした…」
「あぁ、骨も残らないだろうな」
未だに興奮冷めやらん様子のの頬は紅潮している。
キラキラした目で日車を見てくる。
「初めて日車さんが格好良く見えました」
(初めて…)
今までどう見えていたのだとツッコミを入れたくなる。
「それは褒め言葉にはならないな」
「嘘です。車運転している時もカッコイイなって思ってました」
「…じゃあ、次はレーシングゲームだな」
今、自分がどんな顔をしているかわからない。
日車はさっさとレーシングゲームに向かった。