第4章 【日車】有限の閃き
「あー!」と言いながらは小走りで追いつくと隣に並んだ。
「なんで払っちゃうんですか?」
唇を少し尖らせて不満そうに言う。
実に人間らしい顔だ。
「なんでって?今日はそうゆう日だからだ」
「男の人が払っちゃうのって『らしくないこと』じゃないですよね?」
「違うな。これは『らしくないこと』じゃなくて『やってはいけないと思い込んでいたこと』の方だ。散財はそれに該当する。今日は何も気にせず散財すると決めたんだ。は何も気にせず付き合っているだけでいい。それに…」
日車はの瞳を見た。
この雰囲気に既視感を覚えたのか、はハッと息を呑んだ。
彼女もわかっているようだ。
「弁護士と術師、二足のわらじの財力をなめるな」
は笑った、楽しそうに。
「のやりたい『らしくないこと』は見つかったか?」
「いえ、まだです」
「そうか。じゃあ、少し歩くか」
二人は『らしくないこと』を探して歩き始めた。