第4章 【日車】有限の閃き
「『やってはいけないと思い込んでいたこと』を『らしくないこと』に置き換えてもいい。もやってみたらどうだ?」
「でも、どんなことをすればいいのか…」
「まぁ、こんなところに籠もっていても思いつかないだろうな。行くぞ」
日車が歩き出した。
戸惑いながらも後ろをついてくるの従順さ、それを見越しての行動であった。
駐車場まで行くと1台の車の助手席を開けて「乗って」とだけ言った。
「話しやすさで俺は助手席を勧めるが、後部座席の方が良ければそれでもいい」
「あ、じゃあ、助手席で」
まだ戸惑いが残っているのかはカタコトと返事をして助手席に乗り込んだ。
緊張しているのか背筋はピンと伸びている。
そうゆう行動がいちいち日車の琴線に触れる。
「シートベルトをして。あと、背もたれにもたれた方がいい。案外、車に揺られるのは疲れるぞ」
車が滑らかに走り出す。
しばらくは山道を下る道のりだ。
「日車さんって運転するんですね?」
「あぁ、俺の地元は1人1台車が必須な地域だからな。皆、18歳になったら運転免許をとるんだ」
「東京の道を走るのは嫌いだがな」と呆れたように付け加えた。
「これからどこに行くんですか?」
「それは今から考える。その前に今日のルールを決めよう」
「ルール、ですか?」
「あぁ。まず1つめ。今日は極力アイツとは連絡を取るな。〝繋がり〟だったか?いつでもどこでも話せるんだろう?」
「はい」
「アイツからアクションがあっても極力スルーしろ」
「どうしてですか?」
「今日のお出かけテーマは『らしくないこと』をすることだ。連絡をスルーするなんて、かなりらしくないだろう?」
「そうですけど…」
「まぁ、気が引けるようなら強制はしない。繋がっていたとしても俺には知る術がないからな」
は決めかねているのか返事はしなかった。