第2章 【脹相】ジャッジマンの戯れ
ダメ押しに「もこんな過干渉な保護者がいたら大変だな」などと保護者扱いをされて怒りは頂点に達した。
「…日車寛見、喧嘩を売っているのか…?」
「それはそっちだろう?そんなに殺気を出されては領域展開したくなる」
日車の手にはいつの間にかガベルが握られている。
「お前は叩けばいくらでも埃が出そうだ」
まさに一触即発の空気にさすがのもマズイと思ったのだろう。
「えっと、あの…」と、どうしたものかと戸惑っている。
その様子に逸早く気づいた日車はフーと息を吐く。
そして、交戦の意思はないとばかりに両手を開いて見せた。
ガベルはいつの間にか消えている。
「やれやれ、冗談だ。それにしても、、お前との付き合いはそんなに長くはないが、それでもわかるくらい日々人間らしくなっていくな」
そう言っての頭に手を置くと顔を耳の横まで持ってきた。
そして、にしか聞こえないくらいの音量で「いつも隣にいるアイツのおかげなんだろうな」と呟いた。
途端にの顔が真っ赤に染まる。
言われた内容を知らない脹相は「に何を言った!?」とまた噛み付いているが、もう日車は相手にしない。
その代わり、ニヒルな笑みを浮かべる。
「、今のは本人に言ってもいいぞ?」
「え…え…?」
未だに言語を取り戻せていないの頭を一撫でして、脹相の横を通り抜ける。
すれ違いざまに脹相の肩をポンと叩くと、「お大事に」とだけ言って去っていった。
「俺はどこも患ってない!」
との脹相の言葉を背中で受け、去りゆく日車は二人に見えないように、んべっと舌を出していた。