【チェンソーマン】先輩、私はそっちじゃない〈早川アキ〉
第2章 あなたの領域
ただ黙って、早川先輩の後をついていった。
先輩も黙ってるから、私が口を開けば煩わしいだろう。
公安の建物を出て街中を歩く。
少しすると先輩は、寂れた路地裏に入っていった。
一気に距離が縮まり、壁に追い詰められた私は目を逸らすことも出来ず、目の前に迫った早川先輩の瞳を見つめていた。
「なんでデビルハンターになった」
「え?あ……銃の悪魔です。
家族が殺されました。
公安なら、復讐を出来ると思ったからです」
一瞬、先輩の目が見開いたのを見逃さなかった。
黒の髪が目の前で揺れて、離れていく。
いきなりなんだったのだろう。
止まっていた心臓が動き出すように、バクバクと音を立てていった。
あんな距離でも毛穴見えなかった…綺麗。
などと考えている私の中身が知られたら、先輩はどこかへ行ってしまう気がした。
いつ死ぬかわからないから好きに生きたいのに、嫌われるのが怖い。
銃の悪魔を倒すまで、死ぬ気なんてないけど。
遠くなる背中を、それ以上小さくならないように、走って追いかけた。