第1章 夜の半径三十センチ
ドアが閉まった瞬間、はの髪を鷲掴みにした。
踵が浮くほど強く引き寄せ、壁に叩きつける。背中が壁にぶつかる鈍い音と、の短い悲鳴が重なる。
「待っ——」
言葉は喉の奥で潰された。の口がの唇を塞ぎ、舌を強引にねじ込む。歯が当たる。血の味が薄く混じるが、構わず深く抉る。
コートのボタンを引きちぎる。ビリビリと布が裂ける音。ブラウスも一緒に引き裂き、ブラのレースが露わになる。の指がストッキングの股を掴み、一気に引き裂く。ナイロンが破れる鋭い音と、の内腿に冷たい空気が触れる感触。
「シャワーとか、いらねえだろ。もうこんなにびしょびしょじゃん」
指を二本、容赦なく挿入する。ぬるぬるとした熱い粘膜が指を締め付ける。の腰がびくんと跳ね、爪がの肩に食い込む。
「痛っ……!」
「痛い方がいいだろ? お前、いつもそうなるくせに」