第10章 俺を見てください。*nino*side
ガチャンっ…
「おはよ~…ってニノ?」
と翔さんが新聞を読みながら。
疑問系ということは
この落ち込みオーラが凄いんですね。
俺は正直落ち込んでいる。
あんな笑顔で去ったけど
きっと笑顔は作れなかった。
ゲームがバクったときより
莉子 ちゃんに突き放された方が
よっぽど辛いとは…
「あれ…翔さんだけですか?」
「え?あたりまえじゃん!
ドラマの取材でしょ?
俺も一応ゲスト出演だから…
って昨日言ったよ?」
「あ…で、したよね。
すいません。ボーッとしちゃって」
「ニノらしくないな~…
メンバーいないから堂々と話すけど
莉子 ちゃんとどうなの?」
その名前に反応してしまう俺
これは重症で治すのが大変です。
「なんというか…
こっちを見てくれないというか…
きっと違う人を見てるんですよ。」
「好きな人が…いる?」
「分からないですけど…
きっと、そんな感じです。
俺が入っちゃいけない…はぁ、熱い」
なんか朝からボーッとする。
曇りだからかな?
気分も悪いし…はぁ。
〈失礼します。〉
こうして取材がはじまった。