第7章 ドキドキする存在
テレビ局のあるスタジオで
あたしはこっそり手を繋いでいる。
きっと深い意味はないんだ。
勘違いするなあたし。と言い聞かす。
だって相手が二宮和也なんですもん。
この人の上目遣いに全てが許してしまった。
『二宮さん?
なんか今日、手が冷たいですよ?』
「そうですか?
じゃあ暖まるまでこうしててください。」
とかスラスラよく言えるな…。
もう人がどう気持ちかも知らずに!
『嫌ですよ。
あたし沸騰しちゃいます。きっと』
「あなたって正直ですよね。
沸騰=ドキドキしてるんでしょ?」
ニヤニヤしながら、
二宮さんがこっちを見る。
『ち、がいます!
いいですか?全国民がきっと
沸騰します!
ファンなら干からびます!』
「はは…干からびますか…
で?あなたは?」
『は?…あたしは…
こう…ドキドキして…はぁ…』
あ、大変だ。
ドキドキが伝わってる。
どうしよう。早く離れないと!
そう思い離れようとした瞬間
その距離はもっと縮んだ。