第41章 新しい命
ガチャンっ
『おかえり』
そう言うと和也はすでに
涙目であたしを見つめてくる。
「本当に…?」
『うん。
和也もお父さんだよ?』
「どうしよ…あの…えっと…」
『和也…おいで?』
そう言ってあたしは
そっと両手を広げた。
「そういうことしちゃうと
襲っちゃいますよ?」
『ふふんっ…
約1年間は襲えませんよ~』
「あ、そっか…
じゃあ、お言葉に甘えて…」
そう言って和也は靴を脱いで
あたしに抱きつく。
「俺、今2人分
抱きしめてるんですね。ふふっ」
『うん。だね。』
「莉子 …ありがとう。」
『いいえ…』
長い間ずっとこうしていた。
いや、こうしていたかった。