第37章 娘の大事な人*母*side
「お父さん、かっこよかったですよ?」
と和室で眠るお父さんの
隣でそう話すあたし。
今日、莉子 が和也くんと
結婚のあいさつに来た。
芸能人だからきっと
時間を削ったんでしょうね。
まぁ、昔じゃないから
付き合ってる報告も必用ないけど…
急に結婚っていうのは
寂しかったかしら?
「うぅ…バカか…強がりだよ。
男なんてそんなもんだ。」
「強がり…ですか。」
「そうだ。お前のお父さんに
挨拶したときだって男の強がり
今日だって…強がり。
でも和也くんは正直に自分の気持ちを
伝えただろ?
プライドなんて捨てて…
きっと、幸せになるよ。二人は…」
「えぇ…きっとね。」
そう思い立ち上がろうとすると
リビングで健斗と話していた和也くんが
チラッと顔を見せた。