第31章 愛する彼の…
ガチャンッ
和也が行ったのを確認して
翔ちゃんと顔を見て頷く。
「よし!始めよう!」
『うん!がんばろ!』
ガッツポーズをして
翔ちゃんとリビングに急いで行く。
何で急いでるかって?
今日はね、6月17日
そう。和也の誕生日なんです。
きっと仕事で言われるから
忘れることはないと思うけど
何とか気づいてないふりはしましたよ。
『翔ちゃんはこの生クリームを!』
「うん!
なぁ…莉子 ってあいつの
どこが好きなんだよ…」
ボールを持ってかき混ぜてる
翔ちゃんがそう問いかける。
好きな…ところ。
『ん~…全部?』
「違う!具体的に!」
『えぇ~?
う~ん…そうだなぁ…
和也はね?あたしに光をくれたの。』
そう。何も見えなかった毎日
晃が死んでからの暗い毎日
そんな日々に光をくれた和也
『本当にいつもドキドキするの。
会っただけで声を聞いてだけで…
でも翔ちゃん急にどうしたの?』
そういうと翔ちゃんの手が
急に止まった。