第28章 何で?*nino*side
莉子 が家を出ていった後
やっぱり追いかけようと思って
外に出ると…
大野さんと莉子 が抱き合ってる。
は…?意味わかんねぇ…
俺が何したの?
確かに不安にさせた。
きっと大丈夫だと思った。
でも莉子 となら
莉子 ならわかってくれるって
思った。
そう思ったのはダメだったんですか?
「ふぁ~…おはよ~…」
と大野さんが眠そうに
楽屋に入ってきた。
みんないつも通りだけど
俺はゲームにやり続けてる。
「大野さん、何か嬉しそうだね」
そう言う翔さん
俺もチラッと見るけど
ちょっとニヤニヤしてる大野さん
あぁ…聞きてぇ…
「うん。ちょっとね?
可愛い子猫拾ったの。
たぶん飼い主に捨てられたんだろうね。
そういうのほっとけないタイプみたい」
みんなは、リーダーぽいなんて
言ってるけど…
俺はそんな場合じゃないんですよ。
子猫って?
もしかして…莉子 ?
ねぇ…大野さん!
あなたの家にいるんですか?
「大野さん!」
いつのまにか俺はゲーム機を
閉じて大野さんの肩を掴んでた。