• テキストサイズ

【呪術廻戦】誰も知らない

第12章 【虎杖】八百比丘尼


でもさ、こんな事になってるなんて予想できないじゃん?
そろそろ呪霊狩りに出かけるのに脹相は台所から出てこないから。

「脹相、そろそろ…」

行こうと言おうとして止まる。
だって、目の前で脹相が比丘尼さんを抱きしめてる(ように見える)。
比丘尼さんはこっちに背中向けてるから俺に気付いてないけど、脹相はすぐに気付いて比丘尼さんに触れてない方の手のひらだけこちらに向けて制止してくる。
うん、わかった。
いや、わからんけど、わかった。
俺は扉を静かに閉めて、わしわしと後頭部を掻いた。
とりあえず、脹相が出てくるまでは隣の部屋で待機するか。
比丘尼さん、あれ、泣いてたよな…?
でも、脹相は抱きしめてた(ように見えた)から悪いもんじゃないよな。
和解?したのかな。
なんて考えてたら脹相が部屋のドアから顔を出した。

「悠仁、すまなかったな。行くか」

って、それだけ?
でも、表情は少しだけ優しくなってて、まぁいいかってなった。


呪霊狩りから帰ってきたら、脹相は比丘尼さんのこと「八重」って呼ぶようになってた。
あと、今まで食事のおかわりなんてしてなかったのにするようになった。
「八重」って呼んで無言で皿を差し出す。
いきなり亭主関白かよって思ったけど、比丘尼さんは少しだけ嬉しそうに微笑んでた。
なんかいい感じ。

「比丘尼さんの名前って八重ってんだ?俺も八重って呼ぼうかな」

って言ってみたら、比丘尼さんは「はい、どうぞ」って快諾してくれたのに脹相の視線が厳しい。

「…悠仁、年上には敬称をつけろ」

「え…」

思わず比丘尼さんの顔を見る。
比丘尼さんは「八重でいいですよ」って優しく微笑んでいる。
今度は脹相を見る。
「つけろ」とだけ言われる。
目がマジすぎる。

「えーと…じゃあ、八重、さんで…」

脹相は「ん」とだけ言って、八重さんは困ったように笑ってた。
なんで脹相は呼び捨てなんだよって突っかかってみたけど、「俺と八重は旧知だ」で済まされた。
昨日まで「比丘尼」って呼んでたくせに…
まぁ、八重さんにとって脹相が特別であるように、脹相にとっても八重さんは特別なんだろうな(ってことにしておく)。

うん、でも、まぁ、こういう食卓って悪くないな、とも思う。
/ 73ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp