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【呪術廻戦】誰も知らない

第7章 加茂憲倫


「…動くな…!」

八重は自分でも驚くぐらい低く、重い声を出していた。
加茂も一瞬、驚いた顔をした。
声に驚いたのではない。
体が動かないのだ。
そのはずだ。
八重は加茂を拒絶したのだから。
そこには明確な意志と覚悟がある。

「正直驚いたよ。八百比丘尼にはこんな力もあるのか」

加茂は驚いた顔は束の間で、既に興味が勝っている。

「この子たちは連れて行く。邪魔はさせない」

「おいおい、鏡を見てみろよ。酷い目をしているぞ」

「私のことなどどうでもいい」

八重は包みを抱えると一歩踏み出す。

「どこに行くつもりだ?ここの結界から出れば無事では済まないぞ?」

「それでもここにいるより極楽よ」

八重はゆっくり確実な足取りで加茂の横をすり抜ける。

「私を、殺さなくてもいいのか?」

加茂は挑発するように呼び止める。
八重は歩みを止めて振り返った。
加茂の首が無防備に晒されている。

「…殺生は、しません」

「後悔するぞ?」

「私が殺さなくても、いずれ貴方は死ぬでしょう?」

「どうかな?」

それには答えず八重は廊下に出る。
もう振り返らない。

「手に余ったらいつでも戻って来るといい。私はいつでも受け入れるよ」

そんな加茂の声だけが響いてきた。
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