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白と黒のハーモニー 第二局 【ヒカルの碁・緒方精次】

第33章 ○ 幸せに包まれる朝 ●


 トーストと目玉焼き、昨夜の残りのサラダ、熱いコーヒーが朝食としてテーブルに並ぶ。
「…ありがとう」
 星歌は照れくさそうに笑う。
 緒方は、コーヒーの入ったマグカップを手にしながら、穏やかな声で聞いた。
「体は、大丈夫か?」
「…少し、痛いけど…大丈夫…」
「無理させたな…」
「…でも…幸せ…」
 そんなことを言ってくれるのか…。オレも、とても幸せだ…。緒方の胸の中に、星歌への想いが募る。自分の気持ちをきちんと伝えねば…。緒方はマグカップを置き、星歌の手をそっと握った。
「星歌」
 深呼吸を1つ。
「オレと…一緒に暮らさないか」
 星歌はパチリと瞬く。
「…ルームシェアってこと?」
「いや…ルームシェアというより、同棲だな」
「…どう違うの?」
「ルームシェアは、ただ部屋をシェアするだけだろ?同棲は2人で未来を見据えて一緒に暮らすことだ。星歌の両親には、オレがちゃんと話す。許可がもらえたら、婚約って形にして一緒に暮らしたい」
「…婚約…」
「婚約といっても、星歌はまだ学生だから結婚は先でいい。でもオレは、星歌との未来をきちんと考えていきたいと思っている」
 星歌は、しばらく無言で考えあぐねている様子だ。やがて、そっと口を開く。
「…精次さんが、そんなに考えてくれてるの、全然知らなかった…。でも、私も…精次さんのそばにいたい…」
「星歌と一緒に、毎日こんな朝を過ごしたい。夜だって帰る時間を気にせず、ずっと2人でいたい」
「…うん…そうなったら、嬉しい…」
 星歌はテーブル越しに、緒方の手を強く握り返した。
 朝の日差しが2人を優しく照らしている。2人の未来もきっと、明るく穏やかな光に包まれているだろう、そう予感させる朝だった。
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