第13章 少しずつ変わる者たち
女子たちの声は、さらにボリュームを増していく。
最初は誰が格好いいだの誰と目が合ってドキドキしただの、そんな可愛い話だったはずが、いつの間にか話題は『初エッチ』へと踏み込んでいた。
「ねえ、ぶっちゃけさ……ここだけの話、もう経験ある人っているの? 」
一人の女子が声を潜めながらも、目を輝かせて周囲を見回す。
ほとんどの女子が「えー! 無理無理!」「まだ早いって!」と顔を赤くして騒ぐなか、二人の女子が少しはにかみながら顔を見合わせた。
「私……実は、今の彼氏と、こないだ……」
「キャーッ!! マジで!? 聞かせて聞かせて!」
一気にヒートアップする。
話の口火を切った女子は、照れくさそうにジュースのストローをいじりながら語り出した。
「最初はめちゃくちゃ痛くて……ちょっと泣きそうだったんだけどね。でも、大好きな彼と繋がれて、本当に嬉しかったっていうか……幸せだったなぁって」
「うわぁ、何それ! 理想的すぎる!」
「やっぱり大好きな人と初めての時間を共有するのって、特別だよね……」
周りの女子たちがうっとりとため息を漏らす。
その話を隣で聞いていたは、胸の奥がキュッと締め付けられるような痛みを覚えていた。
(大好きな人と、初めて繋がる幸せ……)
自分にはそんな綺麗な思い出はひとつもない。
中学の時、助けてくれたはずの爆豪に無理やり暴かれたあの痛みと恐怖。
それが自分の『初体験』だった。