第11章 毒ある慈愛の飼育
相澤から告げられた言葉は、にとって残酷な宣告だった。
「個性の変容……媚薬効果……。じゃあ、私が勝己くんや先生に、あんなに……淫らなことをしたのは、全部私の個性のせいで……」
「そうだ。お前が悪いわけじゃない。だが、今のままでは周囲の人間を狂わせる。特に……爆豪や心操のような、お前のミルクを直接摂取した者たちはな」
相澤は努めて冷静に教師としての仮面を被り直して告げる。
「しばらく教師寮で俺が面倒を見る。…いいな」
「……はい。お願いします。私、もう……誰にでも縋り付いちゃう自分に戻りたくない……」
は震える手でシーツを握りしめ、承諾した。
ヴィラン連合や治崎に壊され、男たちの熱で上書きされ続けた自分の身体を、せめて「人間」として取り戻したい、その一心だった。
翌朝、最低限の荷物をまとめるため、相澤の同伴のもとで寮へ戻った。
足早に準備を終え相澤と共に廊下へ出たその時、背後から殺気が叩きつけられた。
「……おい。何してんだ、コラァ」
爆豪だった。
その瞳は血走り、一晩中彼女を探し回っていたことを物語っている。
「爆豪か。丁度いい。はしばらく教師寮で俺が預かる。お前を含め、生徒との接触は禁ずる」
「あァ!? ふざけんじゃねぇぞ!なんでテメェのところに行くんだよ! 部屋なら今のままで十分だろうがッ!!」
爆豪の掌でパチパチと火花が散る。
今にも相澤から彼女を奪い取らんとする勢いだったが、相澤は冷徹な眼差しでそれを遮った。
「……爆豪。お前が彼女に何をしたか、俺はすべて把握している。朝昼晩と、彼女のキャパシティを無視して注ぎ込み、挙句の果てに個性を変質させたのは……他ならぬお前の過剰な執着も原因の一つだ」
「……っ、それは、……ッ」
「これは『保護』だ。お前が彼女を蹂躙し続けた結果、彼女の身体は今、自分一人の意思では理性を保てないほどに壊されている。……これ以上、彼女を冒涜するつもりか?」
「……っ、クソ……ッ!!」