第9章 聖者の独占、その熱に溺れて【炭治郎夢】
あたし―― が、
まさかあの「優しさの塊」のような炭治郎に、こんな風に追い詰められるなんて思ってもみなかった。
始まりは、彼からの突然の告白だった。
「さん、俺はあなたのことが好きだ。
……いや、好きなんて言葉じゃ足りない。あなたのすべてを、俺だけのものにしたいんだ」
曇りのない、澄み渡った瞳。
いつもなら安心感をくれるその眼差しが、今は鋭い熱を帯びてあたしを射抜いている。
「炭治郎、落ち着いて……っ。私たちはまだ……」
「落ち着いてなんていられない。あなたの匂いを嗅ぐたびに、俺の中の理性が壊れそうになるんだ」
彼はあたしの手首を掴むと、そのまま蝶屋敷の空き部屋へと押し込んだ。
逃げようとしても、炭治郎の力はあまりに強かった。
それ以上に、彼が放つ「執着」の匂いに、あたしの体はすくんで動けなくなる。
「俺は、嘘をつけない人間だって知ってるだろう? ……だから、今からすることにも、一切の嘘はないよ」
耳元で囁かれる低い声。
首筋に落とされる、熱くて深い口づけ。
「……あ、っ……たんじろう……」
彼の大きな手が、あたしの隊服を丁寧に、けれど拒絶を許さない速さで解いていく。
露わになった肌に、彼の真っ直ぐな視線が突き刺さる。
恥ずかしさで顔を覆おうとしたあたしの手を、彼は優しく、けれど強引に組み伏せた。
*