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裏夢短編【鬼滅の刃】

第5章 水の心の凪、そして芽吹き ― 義勇と繋ぐ命【番外編】


炭治郎や実弥、伊黒たちの子供たちが庭を駆け回る中、
義勇さんはいつも少し離れた場所から、寂しげとも、
羨ましげともとれる眼差しでその光景を見つめていた。


ある雨の日。

屋敷が静まり返る中、義勇さんと二人きりになった時、彼が私の手をそっと、壊れ物を扱うように握りしめた。

「……俺は、ずっと自分にはその資格がないと思っていた」

義勇さんの声は、雨音に溶けそうなほど静かだった。

「錆兎も、蔦子姉さんも失った。守れなかった。そんな俺が、新しい命を育み、誰かの父親になるなんて、許されないことだと……」

彼は私の指先に自分の額を押し当て、微かに肩を震わせた。


「だが、お前が笑い、他の男たちの子供を抱く姿を見るたび、胸が締め付けられるんだ。
……俺も、お前との『繋がり』が欲しい。死ぬまで離れないという、確かな証が……」




彼は私を抱き上げると、静かに布団へと横たわらせた。
いつもは感情を表に出さない彼だが、肌を重ねるその仕草には、これまで溜め込んできた情熱と、私への深い執着が溢れ出していた。



「……。俺を選んでくれ。
……今夜だけでいい、俺のことだけを見ていてくれ」

彼は私の耳元で何度もそう囁き、静かな湖面が波打つように、ゆっくりと、けれど深く私を愛してくれた。


彼の流した涙が私の頬に落ちるたび、彼がいかに孤独で、いかに私を必要としているかが痛いほど伝わってきた。



「愛している。……言葉にするのは下手だが。
お前と、お前との間に宿る命を、俺は死んでも守り抜く」

静かだった彼の心に、初めて「生」への強い執着が灯った夜。


彼は私の中に、どこまでも澄み切った、清らかな愛を注ぎ込んでくれた。




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