第12章 ※イタリアの空は、君を諦めない【REBORN ディーノ】
慌ててナカから指を抜き、震える手でネグリジェを整えて毛布を被る。
だが、火照った身体も、充満した甘い匂いも、すぐには消えてくれない。
「入ってもいいかな」
返事をする間もなく、扉がゆっくりと開いた。
部屋の明かりが差し込み、逆光の中にディーノの長身が浮かび上がる。
彼はベッドの傍らまで来ると、が異様に赤らんだ顔で肩を震わせていることに気づき、一瞬だけ動きを止めた。
「……? 顔が赤いな……汗をかいているみたいだし、もしかして、熱でもあるのか?」
「……っ、あ、えっと……これは、違うんです、その……熱とか、じゃなくて……っ」
しどろもどろになりながら、は必死に毛布を喉元まで引き上げた。
だが、火照りきった肌は隠しようもなく、潤んだ瞳は泳ぎまわっている。
ディーノは心配そうに眉を寄せ、様子を窺うように一歩踏み出した。
「本当に大丈夫か? 顔がすごく赤いし、呼吸も……?」
言いかけ、彼の視線がふと足元に止まった。
ベッドの下に、丸まった小さな布の塊が落ちていた。
ディーノは何気なく無防備な動作でそれを指先で拾い上げる。
「これは……?」
言いかけた彼の言葉が、凍りついたように止まった。
指先に触れたその布はしっとりと熱を帯びて濡れており、そこからは甘く卑猥な、自身の匂いが立ち上っていた。
それが、つい数分前まで彼女が身に着けてたもので、脱ぎ捨てた下着であることに二人は同時に気づいた。
「っ!?……あぁ!!」
は弾かれたように身を乗り出し、ディーノの指先からその布をもぎ取るように奪い返した。
そのまま背中の後ろに隠すが、時すでに遅い。
ディーノを思い、彼に抱かれることを想像しながらナカを解していたせいで、蜜が溢れて止まらなくなり、邪魔になって脱ぎ捨ててしまった下着を見られてしまったのだった。
「違うの、これは……その……っ」
弁明しようにも、今の自分はネグリジェの下に何も身に着けていない。
ディーノの視線が身体に注がれているような気がして、全身が燃えるように熱くなった。