第12章 ※イタリアの空は、君を諦めない【REBORN ディーノ】
デザートの美味しいジェラートまで堪能したランチの後の帰り道、眩しいシチリアの太陽を浴びながら歩いていたが、の足取りは次第に重くなっていった。
それに気づいたディーノは「無理をさせたね」と優しく微笑み、ロマーリオに連絡して車を呼び寄せた。
「せっかくだから、少し遠回りして海の方を回って帰ろうか」
ディーノが自らハンドルを握る助手席に座り、は窓の外を流れる真っ青な地中海を眺めた。
後ろにはロマーリオが控え、車内には穏やかな音楽が流れる。
ディーノの運転はとても丁寧で、隣から楽しそうに話しかけてくれる。
そんな彼との時間は地下室の悪夢を一時でも忘れさせてくれるほど穏やかで、幸せなひとときだった。
屋敷に戻り豪華な夕食を終え、メイドたちに手伝われて温かい湯船に浸かる。
清潔な香りに包まれながら、は今日一日の出来事を反芻していた。
ディーノの優しさや街の人々の温かい視線。
彼に守られているという安心感が、冷え切っていた心を少しずつ溶かしていく。
だが、早めにベッドに入り一人きりの静寂が訪れると、呪わしい身体の記憶が再び目を覚ました。
「……っ、ん、はぁ……っ」
薄暗い寝室で、はシーツを強く握りしめた。
昼間の幸福な時間は嘘のように遠い。
指先が触れる場所は熱く、どろりと卑猥な蜜を溢れさせている。
(こんな事、だめなのに……。また、身体がこんなに……っ)
地下室で男たちに無理やり刻み込まれた快楽の記憶。
だが、今脳裏に浮かぶのは、あの卑劣な男たちの顔ではない。
レストランで自分を優しく見つめていたディーノの金色の瞳。
車の中でハンドルを握っていた、逞しい腕。
「ディーノ、さん……っ、ん、んんっ!」
彼の名前を秘かに呼びながら、熱を帯びたナカを指先でなぞる。
昨夜の絶望的な疼きとは違う、切ない熱が全身を駆け抜けた。
彼に抱かれたい、触れられたいと願ってしまう身体の罪深さに胸が締め付けられる。
まさにその時、静寂を破ってドアに軽いノックの音が響いた。
「? まだ起きてるかい。少し、顔が見たくなって……」
「……っ!? ディーノさん!?」
急な彼の訪問に、快楽に浸っていたの心臓が跳ね上がった。