第11章 純白の境界線 【ヒロアカ 爆豪vs轟vs相澤】
「……あいつは一度言い出したら聞かないからな。……名前の呼び方一つとっても、な」
呆れたような、けれど深い慈愛に満ちたその言葉。
折れずにアタックし続けたの情熱が、鉄の理性を誇った相澤消太という男を、ついに一人の「夫」へと変えたのだ。
「それにしても、卒業してすぐに籍入れてたなんて……早過ぎない??」
「……あの日数で戸籍を変えるのが一番合理的だった、それだけだ」
相澤は白のタキシードの襟を少し緩め、シャンパンを口にしながら淡々と答える。
「合理的って……。、本当に相澤先生で良かったの? 毎日説教されない?」
上鳴の軽口に、は相澤の腕をギュッと抱きしめて笑った。
「ううん、家ではとっても優しいよ? 私のわがまま、全部聞いてくれるんだから」
「……全部だと?」
「あ、墓穴掘ったな」
野次を飛ばす瀬呂や切島を余所に、会場の隅ではマイクと根津校長がグラスを傾けながらその光景を眺めていた。
「イェア……。結局、あの一途なアタックに相澤が根負けしたってわけだ。愛の力は偉大だぜ」
「彼は厳しいが、一度身内と決めたものへの守護は人一倍だらね。彼女ほど彼に相応しい隣人はいないだろう」
「ねぇねぇ、二人はもう一緒に住んでるの!?」
芦戸が身を乗り出して尋ねると、女子たちの視線が一斉にへ集中した。
は相澤と視線を合わせ、少し照れくさそうに、けれど幸せを噛みしめるように頷いた。
「うん。卒業して、籍を入れてからすぐに、一緒に住んでるよ」
「キャーッ! やっぱり! あの相澤先生と一つ屋根の下……想像できないけど、なんかすごく甘そう!」
「朝起きたら相澤先生が隣にいるなんて、色々な意味で心臓持たないよ……!」
女子たちが黄色い声を上げて盛り上がる中、その輪を割るようにして峰田がヌッと顔を出した。
その目は卑屈な光を宿し、嫉妬でギラついている。