第11章 純白の境界線 【ヒロアカ 爆豪vs轟vs相澤】
神父の前で、二人は向き合う。
永遠の愛を誓う言葉が、静かな会場に響き渡った。
「……誓います」
相澤の低い、迷いのない声。
それに続く、の芯のある「誓います」という声。
誓約の証として指輪を交換し、誓いの口付けのため、相澤が彼女のベールをゆっくりと持ち上げる。
重なる視線。
相澤は彼女の腰を引き寄せると、皆の見守る前で、優しく、彼女の唇を塞いだ。
その瞬間、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
プレゼント・マイクの「ヒューッ! イェア!!」という絶叫に近い祝福の声。
綺麗なドレスを着せてもらったエリちゃんが、目を輝かせて拍手を送る。
緑谷や麗日、切島たちが涙を流して叫び、A組の仲間たちが万雷の拍手で二人を包み込む。
だが、その狂騒の中心で爆豪と轟だけは、静かに、そして寂しげにその光景を見つめていた。
爆豪は自身の胸を焼き尽くすような敗北感と、それでも彼女の幸せを願わずにいられない自分自身に、複雑な表情を浮かべる。
一年前、力ずくで奪おうとしたその唇が、今は心から愛する男のものになっている。
その事実に彼は小さくも拍手を送った。
轟もまた、自身の初恋が永遠に届かぬ場所へ行ってしまったことを悟り、静かに目を伏せる。
自分たちがどれほど塗り潰そうとしても、彼女の心は最初から、この真っ白なタキシードの男のものだったのだ。
祝福の嵐の中、は相澤の胸にぴたりと寄り確信していた。
もう、自分を汚すものはない。
自分を本当に救い、導いてくれたこの腕の中で、一生、彼の愛という光に照らされて生きていくのだとーー。