第11章 純白の境界線 【ヒロアカ 爆豪vs轟vs相澤】
「うん! だからその時は、二人もちゃんとお祝いしてね。……じゃあ、私、少し休むね」
軽い足取りで階段を上っていくの背中を、二人はただ、石化したように見送ることしかできなかった。
は、最後まで知らなかった。
自分を巡って火花を散らし、呪いのせいで暴発してしまった二人の男の「本命」が、他でもない自分自身であったことを。
そして今、彼女が向けた無邪気な「お祝いしてね」という言葉が、二人の初恋を永遠に葬り去る、最も残酷な引導になったということも。
寮の廊下には、春の訪れを前にした、あまりに冷たくて虚しい沈黙だけが残されたーー。
卒業式が終わるまで、が「彼」の正体を明かすことはなかった。
爆豪や轟がどれほど執拗に問い詰めても、彼女は困ったように笑って「今はまだ言えないの」と繰り返すばかり。
その頑なな沈黙は、二人の胸に拭いきれない焦燥と、やり場のない執着を燻らせ続けたーー。