第11章 純白の境界線 【ヒロアカ 爆豪vs轟vs相澤】
相澤の部屋で朝の光に包まれながら、深い愛で上書きされた後。
は彼に送られて、密かに教員寮を後にした。
身体の奥に残る相澤の熱と、胸元で揺れる指輪の重みが、昨夜の事を遠い出来事のように変えてくれていた。
だが、自身の寮に戻り共有スペースに足を踏み入れた瞬間、の身体は凍りついた。
「……ッ、……!」
「お前、……どこ行ってたんだよ」
そこにいたのは、爆豪と轟だった。
目の下には隈が浮き、髪は少し乱れている。
朝までを探していたのか、二人とも酷く疲弊した様子で立ち上がった。
個性の呪縛が解けた二人の瞳には、昨夜の獣のような凶暴さはなく、代わりにやり場のない後悔と困惑が滲んでいる。
「……悪かった。……あんな事するつもりじゃ……ッ」
「……俺たちも、制御が効かなかった。本当に、すまないことをした」
爆豪が顔を背けて絞り出すように言い、轟もまた痛ましそうに頭を下げた。
は一瞬、昨夜の激しい痛みを伴う快楽を思い出して震えたが、相澤に注がれた愛が彼女に力を与えていた。
「……いいよ。個性事故、だったんだもん。二人がわざとじゃないのは分かってるから」
が無理に作った笑顔でそう告げると、二人は目に見えて安堵の吐息を漏らした。
だが、それも束の間。
爆豪が鋭い視線で彼女が朝帰りという事実を射抜いた。
「……で、こんな時間までどこで何してやがった……」
「あ……えっと、その……」
は少し頬を染め、胸元のネックレスにそっと触れた。
「彼氏の、ところ。……どうしても会いたくて」
「……ッ」
「彼氏……?」
二人の顔から、一気に血の気が引いた。
自分たちが散々暴いた身体を抱きしめ、癒した男が他にいた。
その事実は、個性が解けたばかりの二人の胸を抉った。
「あのね、さっき彼にプロポーズされたの。……卒業したら、結婚することになったんだ」
は、満面の笑みで告げた。
その言葉は、爆豪と轟にとって、どんなヴィランの攻撃よりも致命的な一撃だった。
「けっ……こん、だと……?」
「……本気、なのか」
唖然として立ち尽くす二人に、は天真爛漫に首を傾げた。