第10章 ※地獄の底で 君の名前を呼んだ【ヒロアカ 轟焦凍】
事務所を後にした轟は、そのままを連れて彼女の家へと向かった。
誰もいない静まり返った室内。
玄関の鍵を閉めると同時に、轟は彼女を逃がさないように強く、それでいて壊れ物を扱うように抱きしめた。
「焦凍くん、だめだよ……。私、もう……中まで、めちゃくちゃに汚されてるの」
そのままベッドへ押し倒され、は震える手で自分の身体を隠した。
一週間、男たちの欲望を注ぎ込まれ続けた肉体。
首筋、胸元、太腿には、醜い鬱血した痕が執拗に残っている。
自分自身が吐き気を催すほど汚濁にまみれたこの身体を、一番綺麗な彼に触れさせるわけにはいかなかった。
「……関係ねぇ」
轟は彼女の拒絶を遮るように、低い声で、だが断固とした響きで告げた。
彼女の両手を優しく取り、枕元へと固定する。
「お前は汚れてなんかいない。……汚いのは、お前に触れたゴミ共だ。あいつらの残したもん、俺が今ここで、全部焼き尽くして上書きしてやる」
「でも……っ、……んっ……」
抵抗する言葉は、轟の熱い唇に塞がれた。
彼は、震えるを安心させるように、ゆっくりと制服のボタンを一つずつ外していく。
布地が滑り落ち、下着だけになった彼女の白い肌が、西日の差し込む部屋にさらけ出された。
そこには、男たちが暴力的に残した、執着の証が点在していた。
「……ここも、ここもだ」
轟の指先が、男たちのつけた赤黒い痕をなぞる。
彼の瞳に宿るのは嫌悪ではなく、それらをすべて自分のものに変えてしまいたいという、苛烈なまでの独占欲だった。
「……んっ、……っ、……ちゅ……」
「……っ、……あ……、…んんっ、……」
轟は彼女の首筋に顔を埋め、痕の上を執拗に吸い上げていく。
「あいつらの記憶、全部消してやる。……俺の熱だけ、覚えてろ」
彼の唇が、胸元、腹部、そしてさらに下へと降りていく。
は、注ぎ込まれる轟の熱に翻弄されながら、絶望で凍りついていた心が、ゆっくりと、だが確実に彼一人の色に染め替えられていくのを感じていた。
「……焦凍、くん……。もっと、……私に……上書きして……っ」
彼女は自分を縛っていた羞恥を捨て、自ら彼の背中に腕を回した。
地獄のような一週間が、彼の与える快楽の渦の中に溶けていく。