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夜の秘め事【裏夢の短編集】【R18】

第10章 ※地獄の底で 君の名前を呼んだ【ヒロアカ 轟焦凍】


「こいつらだけじゃない。動画に映ってる男たちも、一人残らず引きずり出す。警察も、ヒーローも……使えるものは全部使って、二度とお前に関われないよう、社会的に、徹底的に終わらせてやる。……だから、」


轟は彼女の首筋に顔を埋め、男たちの残した生臭い臭いを、自らの熱で上書きするように強く抱きしめた。


「お前はどうしたい。何を望む。……お前の心が晴れるまで、俺は何だってしてやる」


突きつけられた選択肢。
復讐か、断罪か、あるいは破滅か。
けれど、一週間の地獄を耐え抜き、心身ともに限界を迎えていたが求めたのは、血塗られた復讐劇ではなかった。


「……焦凍くん」


震える指が、轟のヒーローコスチュームの背中に縋りつく。


「焦凍くんが、側にいてくれるなら……。もう、あんな怖い思いを、しなくていいようになるなら……。私は、それだけでいい……っ」


彼女の望みは、あまりにもささやかで、そして重い平穏だった。
これ以上、誰かに触れられたくない。
誰の視線も浴びたくない。
ただ、彼という唯一の安全地帯の中で、この震えを止めてほしい。



「……分かった」



轟は、彼女を安心させるように、より一層力を込めて抱きしめた。



「もう二度と、指一本触れさせねぇ。お前の視界に、ゴミ一つ入れさせねぇ。……全部俺に任せろ。お前はもう、何も怖がらなくていい」



轟は彼女を連れ女子生徒たちを一瞥もせず、その場を後にした。
彼の手には、地獄の記録が詰まった数台のスマートフォン。
これが、彼女を苦しめた者たちへの、最悪で完璧な断罪の始まりになる。


そして、傷ついた彼女を、今度は自分が誰の手も届かない場所で守り抜くという、執着にも似た誓いを轟は静かに胸に刻んだ。




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