第10章 ※地獄の底で 君の名前を呼んだ【ヒロアカ 轟焦凍】
車体が揺れる程ナカを突く男の楔が深く、鋭く突き刺さる。
その一部始終は、女子生徒たちのスマホに克明に記録されていた。
泣き叫ぶ顔、無理やり絶頂させられる肢体、そして男たちの証をナカに溢れさせる無様な姿。
一日、また一日と、記録される痴態が増えるたびに、は自らの尊厳が削り取られていくのを感じていた。
愛する焦凍に助けを求めることすら許されない、底なしの地獄。
彼女はただ、レンズの向こう側にある絶望を見つめながら、壊れた人形のように揺さぶられ続けることしかできなかった。
保須市での一件――ステインとの死闘を終え、病院のベッドに横たわる轟は、ふとした静寂の中でスマホを手に取った。
時間は有り余っている。
何より、ここ数日連絡の途絶えているのことが、胸の奥でずっと燻っていた。
一方、ラブホテルの薄暗い一室では、男たちにシーツに組み伏せられていた。
「あら、轟さんから電話だわ。……出なさい」
女子生徒が冷酷な笑みを浮かべ、着信を告げる端末をの耳元へ突きつける。
職場体験中の彼を心配させたくなくて、ここ数日、彼女は極力連絡を控えていた。
まさか彼が最悪のタイミングで電話を引き寄せるとは思ってもみなかった。
通話ボタンが押された瞬間、背後から彼女を貫いていた男が、嫌がらせのように腰の動きを一段と激しくした。
ーーグチュ、グチュウゥゥッ!!
「ひ、……ぁ、……っ!!」
「か? 俺だ。……急に悪りぃな。今、病院にいて……少し時間ができたから、声が聞きたくなった」
スピーカーから漏れるのは、ステインとの激闘を経た後の、少し疲れた、けれど心底自分を案じている低い声。
その優しさが、今の彼女には何よりも鋭い刃となって胸を抉る。
「あ、……ぅ、…ん、…え、……焦凍、くん……? 怪我、したの?…だいじょうぶ……っ」
「……ああ。大したことはねぇ。それより、お前の声……震えてるぞ。本当に大丈夫なのか? 今、どこにいる。……何か、妙な音が聞こえないか?」