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夜の秘め事【裏夢の短編集】【R18】

第10章 ※地獄の底で 君の名前を呼んだ【ヒロアカ 轟焦凍】


「ちょ、轟くん!? 何を急に……そんなこと、普通さらっと言わないよ!」

「そうか。……だが、驚くほど気持ちよかったんだ。夢の中で、あいつを何度も突き上げて、中に出して……。起きたとき、あまりの生々しさに自分でも引いた」

「わああああ! 描写が具体的すぎるよ!」


緑谷は両手で耳を塞ぎそうになりながら、周囲に誰もいないか必死に確認した。
だが、当の轟は至って真面目な顔で、どこか遠くを見つめている。


「……あいつ、って。もしかして、轟くん……彼女がいるの?」


緑谷が恐る恐る尋ねると、轟は小さく頷いた。




「十年来の幼馴染と、最近再会した。一昨日、正式に付き合うことになって……昨日、あいつの家で押し倒した」

「お、押し倒した……!? あの轟くんが……?」

「ああ。……理性が焼き切れるかと思った。結局、最後まではしなかったが……」

「…………」


緑谷は言葉を失い、ゆでダコのように真っ赤になって立ち尽くした。
あの「氷の貴公子」が、一人の女の子にそこまで執着し、欲情している。
その事実が、ピュアな緑谷には刺激が強すぎた。


「心の準備をしておけ、と言って別れたが、一番準備ができていないのは俺の方かもしれない」

「……そ、そうだね。まずは深呼吸しようか、轟くん。……うん、愛の力は凄いね……」


緑谷は力なく笑いながら、独占欲の塊と化した彼の背中を見つめた。
恋を知り、獣を飼い慣らすのに必死な少年の瞳には、前までの冷徹さは微塵も残っていなかった。







放課後の校門前。
轟は昨日とは打って変わって隠しきれない熱を瞳に宿して、彼女を待っていた。
隣を歩くは、昨日以上に視線を彷徨わせ、耳たぶまで真っ赤に染めている。
彼女が昨夜の自分の言葉を忘れず、文字通り「心の準備」をしてきたのだと悟り、轟は歓喜に胸を震わせた。



「……今日も、お前の家に行っていいか」



帰り道、轟が低く問いかける。
その言葉に含まれた「裏の意味」を察したの肩が、びくりと跳ねた。


「……うん。……いいよ、焦凍くん」


消え入りそうな、けれど確かな拒絶のない返事。


それが合図だった。



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