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夜の秘め事【裏夢の短編集】【R18】

第10章 ※地獄の底で 君の名前を呼んだ【ヒロアカ 轟焦凍】


轟は立ち上がり、逃げるように玄関へと向かった。
その後ろ姿を追いかけ、は寂しそうに彼を見送る。


「焦凍くん、また、明日……」


その微かに震える声に、轟はドアノブを掴んだまま足を止めた。
振り返った彼の瞳は、もはや「幼馴染」のそれではなく、獲物を狙う獣のような鋭い執着に満ちている。


「。……正直に言う」


低く、有無を言わせぬ重みを持った声だった。


「再会したばかりで、お前が戸惑ってるのも分かってる。……でも俺は、今すぐにお前を抱きたくて仕方ない。ずっと、そう思ってる」


あまりにストレートな欲望の吐露に、は呼吸を忘れたように固まった。


「だから……心の準備をしておいてくれ。……次は、もう止まらないからな」


それだけを言い残し、轟は夜の闇へと消えていった。
残されたは、玄関でへたり込むように座り込んだ。
顔の火照りは、彼がいなくなった後も一向に引かない。


「心の準備、って……」


口元を押さえながら、彼女の胸の鼓動は早まるばかりだった。
恐ろしさと、それを上回るほどの彼に求められることへの甘い期待。
目の前の彼は、残酷なほどに自分を欲しがる一人の男だった。
一人きりのワンルームの静寂の中に、自分の心臓の音だけがうるさく響き続けていた。





夜の冷気に身を晒しながら、轟は逃げるように自宅へと辿り着いた。
自室の畳の上に倒れ込み、天井を仰ぐが、目を閉じれば脳裏に焼き付いた光景が鮮明に蘇る。
押し倒した時の、床に散ったの髪。
涙を浮かべて自分を見上げた、あの熱を帯びた瞳。
制服の隙間から見えた、白く柔らかな肌。


「……くそ」


下腹部に溜まった熱が、ズキリと疼いた。
一度自覚してしまった欲望は、もはや理屈で抑え込めるものではない。
スラックスの股間は、はち切れんばかりに硬く張り詰めていた。
自身の熱を手に取ると、彼女の温もりや匂いを思い出す。
一度火がつけば止める術はなかった。


「あ……っ、」


彼女の名前を掠れた声で呼びながら扱き一気に果てるが、吐き出した後も胸の昂ぶりは収まらず、体は深い渇望を残したままだった。
そのまま泥のように眠りについたが、意識の底でも救いはなかった。

夢の中に現れたのは、あの静かな部屋にいる彼女だった。



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