第8章 可愛い猫の誘惑♡ 【僕のヒーローアカデミア 相澤消太】
翌日、相澤のマンションのチャイムが鳴り、彼がドアを開けると、少し様子のおかしいが立っていた。
「……か。入れ」
「お、お邪魔します……消太さん」
リビングに入りフード付きのアウターを脱いだ彼女の姿を見て、相澤の手が止まった。
髪の間から、ぴこぴこと動く三角形の耳。
スカートの裾からは、感情に合わせてゆらゆらと揺れる細長い尻尾が生えている。
「……それは、なんだ。コスプレか?」
「えへへ、驚いた? 実は今朝、友達に個性をかけてもらったんだ。今日は猫の日だから……私、消太さんの飼い猫になってもいいかなって……」
相澤は絶句した。
いつもは「生徒と教師」の立場を守ろうと必死に理性を保っている彼だが、目の前の光景はあまりにも暴力的だった。
少し照れくさそうに耳を伏せ、上目遣いで自分を見つめる。
その尻尾が、期待に満ちた動きで彼の脚に触れた。
「……おい」
「……なあに?」
「……お前、自分が今、どれだけ危険な格好をしてるか自覚してるか?」
相澤は片手で顔を覆い深く、長く溜息をついた。
だが、その指の間から覗く瞳は、獲物を狙う猫科の肉食獣のように鋭い。
「だって、消太さん猫好きでしょ? 触ってもいいんだよ? ほら、ここ、柔らかいよ」
が自ら頭を差し出し、耳を動かしてみせる。
相澤はこらえきれず、大きな掌でその耳の付け根をそっと撫でた。
「んぅ……っ、そこ、くすぐったい……」
「……反則だろ、これは」
喉を鳴らすような彼女の声に、相澤の喉仏が大きく上下する。
彼は彼女の腰を引き寄せ、鼻先が触れ合うほどの距離で低く囁いた。
「……いいか、。俺は『卒業までは手を出さない』と決めている。だが、今日ばかりはその自信が半分くらい削れたぞ」
「半分だけ? まだ余裕あるんだ」
「……煽るな。これ以上やったら、明日お前が学校に行けなくなっても俺は責任を取らん」
相澤はそう言い捨てると、彼女を抱き寄せてソファに沈めた。
「手は出さない」と言いつつも、その手は彼女の尻尾の付け根や耳の後ろを執拗に、慈しむように撫で回し続ける。
「あ、先生……そこ、変な感じする……っ」
「……っ、今は先生と呼ぶな。………罪悪感に圧し潰されそうになる」