第8章 可愛い猫の誘惑♡ 【僕のヒーローアカデミア 相澤消太】
「……卒業するまでは、キスまでだ。それ以上は、絶対に手を出さん。お前がどんなに誘ってこようがな」
「……本当に、それだけ?」
「ああ。それが、俺がお前を『一人の女性』として、責任を持って迎えるための最低限のルールだ」
相澤の言葉は、自分自身に言い聞かせる呪文のようでもあった。
生徒である彼女を守るため。
そして、彼女を愛してしまった自分の、せめてもの矜持。
「ふふ、相澤先生らしいですね。……でも、我慢しすぎて卒業式の日に爆発しないでくださいね?」
「……お前がそれを言うか。誰のせいで俺が毎日これほど自分を律していると思っている」
相澤は毒づきながらも降参したように彼女の腰を抱き寄せ、その額にキスを落とした。
「……後悔するなよ。卒業した瞬間に、俺はもう『先生』でいてやるつもりはない」
その低い宣言に、の頬が今日一番の赤みに染まる。
進路指導室の時計が、カチリと一分、卒業へのカウントダウンを進めた。