第7章 ※宿儺は伏黒の女を食い散らかしたい 【呪術廻戦 伏黒恵】
「……クソ野郎が」
吐き捨てるように呟くと、釘崎はを支え、大浴場へとへと歩き出した。
ドアを閉める直前、釘崎は背中越しに冷たい声を投げかける。
「虎杖、伏黒。あんたたちがのためにできるのは、ここで死ぬことじゃない。……二度とこんな真似させないって、地獄まで誓うことよ」
バタン、とドアが閉まる音が、静まり返った部屋に響き渡った。
大浴場の広い空間に、虚しくシャワーの音だけが反響していた。
釘崎は、力なく座り込むの身体を、大きなタオル越しに強く抱きしめていた。
「……野薔薇ちゃん、ごめんね。怖かったよね、あんなの見ちゃって」
「あんたね……。何でこんな時まで、人の心配してんのよ。馬鹿じゃないの」
釘崎の声は震えていた。
の首筋に残る凄惨な痕跡を見るたび、怒りで視界が赤く染まりそうになる。
だが、今ここで自分が泣き叫べば、の心は完全に壊れてしまう。
「……恵くん、どうなったかな。悠二くんも、あんなに泣いてて……」
「あいつらのことは放っておきなさい。今は、自分のことだけ考えればいいの」
釘崎はの髪を優しく撫で、その耳元で言い聞かせるように呟いた。
「いい? 。あんたは何も悪くない。汚れてなんてないわ。全部、あのアホ面の呪いのせいよ。だから……自分を責めるのだけはやめなさい」
「……うん。……ありがとう、野薔薇ちゃん……っ」
張り詰めていた糸が切れたように、が釘崎の肩に顔を埋めて声を殺して泣き出した。
釘崎はその細い背中を、落ち着かせるように何度も何度も叩き続けた。