第7章 ※宿儺は伏黒の女を食い散らかしたい 【呪術廻戦 伏黒恵】
「――ちょっと、あんたたち何なのよこの気配。廊下まで呪力が……っ!」
勢いよくドアを開いた釘崎の言葉が、部屋の凄惨な光景に凍りついた。
鼻を突くのは、重苦しく、吐き気を催すほど濃密な男の匂い。
床に這いつくばり、血が出るほど拳を打ち付けて泣き叫ぶ虎杖。
膝をつき、生気のない瞳で一点を見つめたまま動かない伏黒。
そして、無残に引き裂かれた服の間から白濁を零し、呆然と座り込む。
「……何よ、これ。……嘘でしょ」
釘崎の瞳に、激しい怒りの炎が宿った。
彼女は状況を瞬時に理解し、震える足取りで虎杖に歩み寄ると、その胸ぐらを力任せに掴み上げた。
「虎杖!! あんた、何したか分かってんの!? になんてことしたのよ!!」
「ごめん……釘崎、俺、俺……っ」
「謝って済むわけないでしょ! あんたを、殺してやる……今すぐあんたを呪い殺して……っ!!」
釘崎が釘を振り上げたその時、細い、震える声が響いた。
「……待って、野薔薇ちゃん。悠二くんのせいじゃないの」
「!?」
釘崎が振り返ると、はシーツを身体に巻きつけ、ガタガタと震えながらも首を振っていた。
「宿儺が……宿儺が出てきちゃったの……だから、悠二くんを責めないで……お願い……っ」
「でも、だって……あんた、そんなボロボロにされて……っ!」
釘崎は悔しさに唇を噛み切り、涙を溜めて言葉を詰まらせた。
一番傷ついているはずのが、自分を壊した男を庇っている。
その優しさが、今の釘崎にはあまりに痛ましかった。
釘崎は一度深く息を吐き出すと、虎杖を放し、伏黒を一瞥した。
「……伏黒、あんたもしっかりしなさい。男二人が揃いも揃って地獄の底みたいなツラしてんじゃないわよ」
釘崎はの元へ歩み寄ると、優しく、しかし折れない芯の強さを持って彼女の肩を抱き寄せた。
「……野薔薇ちゃんっ…ダメっ、野薔薇ちゃんまで汚れちゃうっ…」
「いいから。…さっさと全部流しちゃいましょう。、歩ける?」
は小さく頷いたが、立ち上がろうとした瞬間に、太ももを伝って宿儺が残した熱い残滓が床にこぼれ落ちた。
それを見た釘崎の表情が一瞬だけ歪む。