第7章 ※宿儺は伏黒の女を食い散らかしたい 【呪術廻戦 伏黒恵】
「ちょっと、伏黒。あんた自分で買うのはコーヒーのくせに、のやつ味見する時だけはえらい積極的じゃないの。見てなさいよ虎杖、これが無自覚な独占欲ってやつよ」
「……釘崎、うるさい。事実を誇張するな」
伏黒が冷たくあしらうが、その耳はわずかに赤い。
その時、街の熱気に押されたのか、のソフトクリームが少しだけ溶け、彼女の手にタラリと白い滴が垂れた。
「あ、溶けちゃっ……」
が声を上げるより早く、伏黒が彼女の手首を掴み、あまりにも自然な動作で、彼女の手の甲に流れ落ちたバニラを舌先で直接舐めとった。
「ひゃっ、……あ、恵くん……っ」
「垂れるだろ。……溶ける前に早く食っちまえ」
伏黒は淡々と言い放つが、掴んだの手首をなかなか離さない。
その光景を目の当たりにした虎杖は、喉の奥がカラカラに乾くのを感じた。
の白い肌に触れる伏黒の舌、動揺して頬を赤く染めるの表情。
それは、男と女の熱を帯びた空気だった。
「ちょっ……! ちょっとちょっと! 伏黒! あんた今の、公共の場でやるには刺激が強すぎない!?」
釘崎がここぞとばかりに騒ぎ立て、伏黒の背中をバシバシと叩く。
「……だから、垂れると思ったからだろうが」
「言い訳が見苦しいわよ! ほら、虎杖も何か言ってやりなさいよ!」
「え? あ、ああ……」
振られた虎杖は、無理やり口角を吊り上げた。
視界の端で、が恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうに伏黒を見上げている。
「……ハハッ、伏黒って意外と、そういうとこ野生だよな。ワイルドじゃん!」
精一杯の冗談。
けれど、心の中では、の手に触れた伏黒の温度を想像して、狂いそうなほどの羨望が渦巻いていた。