第7章 ※宿儺は伏黒の女を食い散らかしたい 【呪術廻戦 伏黒恵】
任務後の渋谷は、街灯とネオンが混ざり合って、いつになく眩しく見えた。
呪霊を祓った後の程よい疲労感と、解放感。
虎杖は、隣を歩く仲間たちの声を聞きながら、心の中で小さくため息をついた。
「ねえ、見てよあのアイス!期間限定だって、絶対食べたい!」
「釘崎、さっきあんなにパスタ食べたのに?」
「別腹に決まってんでしょ。……ねえ、もそう思うわよね?」
釘崎がニヤリと笑って、後ろを歩く二人にパスを出すと、いつの間にか自然に距離を詰めて歩く伏黒との姿があった。
「……が良いなら、別に。俺はコーヒーでいい」
「あ、じゃあ私も食べようかな。恵くん、一口あげるからね?」
「……ああ」
が伏黒の袖をちょんと引いて笑いかけると、伏黒は少しだけ視線を逸らしつつも、その手を振り払うことはない。
むしろ、人混みでがはぐれないよう、さりげなく肩を寄せてガードしている。
それを見ているだけで、胸の奥が少しだけチクリと疼く。
(……ああ、やっぱりお似合いだよな、二人とも)
虎杖は、口角を上げていつもの「太陽みたいな笑顔」を貼り付けた。
への想いは、自分でもいつから芽生えたのか分からない。
彼女の屈託のない笑顔や、仲間を想う優しさに触れるたび、その気持ちは育っていった。
けれど、その相手は友でもり、大切な仲間の伏黒だ。
そして自身も、大切な仲間なのだ。
「悠二くん、どうしたの?急に黙っちゃって」
がひょこっと顔を覗き込んできた。
大きな瞳が真っ直ぐに自分を見つめている。
その無防備な距離感に、心臓が跳ねる。
「あ、いや!何食おうかなーって考えてただけ!俺もアイス、チョコのやついっちゃおうかな!」
「いいじゃん!!」
釘崎が虎杖の背中を叩く。
その横で伏黒がの髪についた小さな埃を、極めて自然な動作で取ってやっていた。
「……、動くな」
「え?……あ、ありがとう、恵くん」
見つめ合う二人の間に、甘い空気が流れる。
の頬がほんのり赤らむのを見て、釘崎がこれ見よがしに肩をすくめた。