第6章 口溶けショコラ 【呪術廻戦 七海建人vs五条悟】
「五条さん、すみません……。私は、七海さんと行きます」
震える声で告げると、は迷わず七海の差し出した手を取った。
その瞬間、五条の顔から笑みが消え、静かな衝撃が室内に走ったが、七海はそれを一瞥もせず、彼女を優しく、それでいて強固に抱き寄せた。
「賢明な判断です。行きましょう、さん」
エレベーターが静かに上昇し、最上階のスイートルームの前で止まった。
カードキーをかざして扉を開けると、そこには夜景を一望できる贅沢すぎる空間が広がっていた。
「……あの、七海さん。レストランだけじゃなくて、部屋まで?」
「ええ。あなたを確実に独占するために、用意しておきました。驚かせましたか?」
七海は背後から扉を閉めると、カチリと鍵をかけたその音に、の心臓が跳ねた。
「……っ、はい。でも、七海さんが私のためにここまで……その、考えてくれたことが、嬉しいです」
「そうですか。……ならば、遠慮は不要ですね」
七海はの腰を抱き寄せると、そのまま広いベッドへと彼女を誘った。
柔らかなマットレスに背中が沈み、視界が天井と、彼の色気ある素顔で埋め尽くされた。
「……七海さん、あの、……すごく素敵なドレスまで、ありがとうございます。でも、これ、私には勿体ないくらいで……」
ベッドに沈み込んだまま、は上気した顔で、贈られたばかりのドレスの裾をぎゅっと握りしめた。
すると、覆いかぶさる七海の指先が、彼女の鎖骨をゆっくりとなぞる。
「さん。男が女にドレスを贈る意味を、知っていますか?」
七海の声は、いつもより低く、そして酷く熱を持っていた。
耳元で囁かれるその響きに、の肩がびくりと跳ねる。
「えっ……? それは、その……似合うと思って、くださったんじゃ……」
「それだけではありませんよ」
七海はわずかに目を細め、彼女の背中側にそっと手を回した。
ドレスのファスナーに指が掛かり、ジッ、と小さな音が静かな部屋に響く。
「『これを脱がせる権利は、私だけにある』。……そういう独占欲の現れです」
「……っ!」