第5章 半冷半燃の少年は彼女を温めたい 【ヒロアカ 轟焦凍】
あの日、地獄のような家から救い出してくれた時。
文化祭で、宝石のような氷を降らせてくれた時。
そして今、全身を震わせるほどの愛を刻んでくれた時。
「……私、……焦凍さんの、……特別に、なれましたか……?」
「……。……まだ、そんなこと聞いてんのか」
轟は、彼女の首筋に深く顔を埋めた。
そこには、自分が先ほど付けたばかりの濃い紅い痕が幾つも並んでいる。
「……特別じゃねえ。……お前がいない世界なんて、もう考えられねえんだ。……誰にも、一瞬たりとも渡したくねえ」
その言葉は、穏やかな愛の告白というよりは、決して逃さないという呪いにも似た宣言だった。
「……次からは、もう少し手加減するように努力する。……努力は、するが……」
轟は、彼女の柔らかな体温を確かめるように、再びその脚の間に自分の膝を割り込ませた。
「……お前がそんな顔で俺を呼ぶなら、……多分、また理性がぶっ壊れる」
確信犯的なその言葉に、いのりは恥ずかしさに身をよじりながらも、逃げ場のない彼の腕の中に、自分からさらに深く潜り込んだ。
轟焦凍という一人の少年の内側に、これほどまでに激しい独占欲と熱が眠っていたことを知っているのは、世界で自分一人だけでいい。
そう思いながら、いのりは心地よい疲労感に包まれ、最愛の人の鼓動を子守唄にして、深い眠りへと落ちていった。
二人の愛は、誰にも邪魔されない個室の中で、より深く、より逃れられないものへと熟していくのだったーー。