第4章 爆殺神は彼女を拾う 【ヒロアカ 爆豪勝己】
「おい。朝飯、何が食いたい。……お前の好きなもん、何でも作ってやる」
「……うーん、勝己くんの作ったものなら、何でも。……あ、でも、もう少しだけ、こうしててもいいですか?」
甘えるように胸元に顔を寄せるいのりを、爆豪は「……しゃーねぇな」と毒気を抜かれたように笑い、力強く抱き寄せた。
この世界には、呪いはない。
彼女を「胎」としてしか見ない傲慢な一族も、自分を汚した男もいない。
目の前にいるのは、命を懸けて自分を救い出し、一人の女として愛してくれる、世界でたった一人の「ヒーロー」だ。
「俺はヒーローだ。ヴィランだろうが、過去の呪縛だろうが……お前を泣かせるモンは、全部俺が爆破してやる。だからお前は、一生俺の隣で笑ってりゃいい」
「……はい。私、今、世界で一番幸せです」
いのりの瞳からこぼれたのは、悲しみでも絶望でもない、未来への希望に満ちた涙だった。
爆豪はその涙を、優しい口付けで拭い去る。
かつて「落ちこぼれ」と呼ばれた少女は、今、最強のヒーローの腕の中で、誰よりも尊い光となって輝き始めていたーー。