禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第14章 へなちょこな彼は彼女を愛したい 【REBORN ディーノ】
夕食後、部下たちがホテルへと引き上げる中、ディーノといのりは沢田家の一室を借りて泊まることになった。
「悪いな、ツナ! 世話になるぜ!」
快活に笑いながらダイニングチェアに座ろうとしたディーノだったが、その瞬間、信じられない光景が起きた。
何もないところで足を滑らせ、派手に転倒したのだ。
「うわっ!? ……いてて。大丈夫だ、よくあることだから」
苦笑いしながら立ち上がる。
今度は食事中にテーブルの上の味噌汁を引っかけ、自分のズボンをびしょ濡れにした。
さらには風呂場から「わわっ! エンツィオ、暴れるな!」という叫び声が聞こえたかと思えば、湯船に落としたらしいペットの亀が巨大化して暴走し始めていた。
「……ディーノ、さん?」
いのりは固まった。
イタリアの屋敷や昼間の空港で見せていた、あの圧倒的なカリスマ性はどこへ消えたのか。
目の前にいるのは、あまりに危なっかしい「ヘナチョコ」だった。
「ひぃぃぃ! ディーノさん、昼間と全然違うじゃん!」
ツナが頭を抱えて叫ぶ中、リボーンが不敵に笑う。
「仕方ねーな。……おいレオン、やれ」
リボーンの手元にいたカメレオンのレオンが次の瞬間、ツナの顔全体を覆うように変形し、なんと見事な『ロマーリオの顔』を模したマスクへと姿を変えた。
「偽ロマーリオ」となったツナが立った瞬間――ディーノの空気が一変した。
「……おい、ロマーリオ!帰ってなかったのか!?危ないから下がってろ!!」
先ほどまでのドジが嘘のように、ディーノの動きから一切の無駄が消えた。
洗練された所作で巨大化した亀をムチで掬い上げ落ち着いた笑みを浮かべる。
「な、何今の!? ツナくんがロマーリオさんの顔に……!?」
唖然とするいのりの横で、レオンが離れて元の姿に戻ったツナが、腰を抜かしてへたり込んだ。
リボーンは満足げに帽子の庇を上げる。
「驚くことはねーぞ。ディーノは部下がいないと、ただのヘナチョコになる究極の『ボス体質』なんだ。部下の目が、あいつを最強のボスに変える」
「部下の、目……?」
「そうだ。部下が一人でも見ていれば、あいつは完璧な跳ね馬になる。だが、一人になった途端にあのザマだ。お前らも見てただろ」